インプラント治療を検討中の方は、外科手術に不安を感じているケースが多いです。顎の骨のチタン製の人工歯根を埋め込む手術は、ブリッジや入れ歯治療にはないプロセスであることから、少しでも安心できる方法で行ってもらいたいものです。

その際、有用なのがインプラント治療で用いることがある「サージカルステント」です。インプラントにおける安心感だけでなく、安全性や正確性も高められるサージカルステントは、治療の精度を向上させる上でも重要な役割を果たします。

今回はそんなインプラント治療のサージカルステントについて、岐阜市南鶉の江﨑歯科がわかりやすく解説をします。

■そもそもサージカルステントとは？

サージカルステントは、一般の歯科治療で使用する機会がない装置なので、その名前も初めて耳にしたという方も少なくないかと思います。

実際、サージカルステントは人工歯根であるインプラント体を顎の骨に埋め込むガイドを果たす装置で、埋入手術の1回のみに使用されます。

患者さまのお口の状態に合わせて作られ、インプラント体を埋め込む位置、角度、深さが記録されたマウスピースのような装置です。

つまり、インプラント体を理想的な位置・角度・深さに埋入できることから、インプラント手術の正確性や安全性が高く、同時に患者さまが安心感を得られます。

■サージカルステントの作り方

インプラントのサージカルステントを作るためには、歯科用CTによるスキャンが必要となります。精密な画像診断を行うことによって、患者さまの顎の骨の厚みや幅、隣接する神経の位置などを正確に把握でき、インプラント体の埋入位置・角度・深さを導き出せるのです。

歯科ではこうした装置を作る際に、いわゆる歯型取り（印象採得）を行うことが多いですが、インプラントのサージカルステントではより精密で3次元的な情報が必要となることから、歯科用CTによる撮影やコンピューター上でのデジタルシミュレーションが欠かせません。

■サージカルステントで手術の安心感が得られる理由

今回のテーマである「インプラント手術で安心して治療を受けられるかどうか」は、サージカルステントを使用することでひとつの安心材料にもなり得ます。

サージカルステントを用いないインプラント治療では、インプラントを埋め込む位置や角度などを、歯科医師の経験に頼って決めることになります。歯ぐきをメスで切り開き、インプラント体を埋め込む角度や深さなどは、歯科医師の手技と判断に委ねられています。

仮に、インプラント手術の経験が乏しい場合、インプラント体を必要以上に深く埋め込んでしまう可能性もゼロではないのです。その結果、大切な神経や血管を傷つけてしまうことも。

一方、サージカルステントを用いたインプラント手術では、こうしたトラブルは起こりにくいです。上述したように、サージカルステントには正しいインプラント体の埋入位置・角度・深さが記録されており、術者はそのガイドに従って処置を進めることができます。

もちろん、サージカルステントを使ったインプラント手術にも高度な技術と知識を要しますが、自動車の運転に例えるとオートマ（AT）とマニュアル(MT)のような違いがあるとイメージがしやすいかと思います。

■サージカルステントはどの歯科医院でも使っている？

インプラント治療で用いられるサージカルステントは、現状、すべての歯科医院で導入されているとは限りません。

歯科医院側は相応の設備投資等が必要となるため、導入していない場合もあります。

■まとめ

今回は、インプラント治療を安心して受けていただくための「サージカルステント」について、特徴や使用目的、使用しない場合のリスクなどを解説しました。

インプラント体の理想的な埋入位置・角度・深さを導いてくれるサージカルステントは、手術の正確性や安全性を向上させるとともに、患者さまの不安を少なくすることができます。

インプラント手術を希望・検討中の方は、ぜひ岐阜市南鶉の江﨑歯科の無料相談をご活用ください。当院では、経験豊富な歯科医師がインプラント治療を担当します。